なぜ型ファーストで考えるのか

How do you imagine a building? You consciously create each aspect, puzzling over it in stages.

Inception

型なし言語に馴染みはあるものの型付言語をいざ使ってみたらどういう気持ちで書いたらいいのかわからなかったと同僚から相談があり, それをきっかけにして社内の勉強会で以下の話をしました.


よく型なし vs. 型付の文脈では「型を書くのは面倒だ」「安全の方が大事だ」「でも面倒だ」「それは型推論を前提にしていないからだ」などの議論になりがちな気がしますが、これはあくまで「計算ありきの型」を考えているからで, 「型ありきの計算」だと全く見え方が違います. 「型はある種の仕様」とおもえば, 型ファーストであることと, 型なし言語でテスト駆動開発(TDD)するときに最初にテストを書くこととは, 同じなんだよなぁと思っていました. そして型ファーストが重要な理由をつきつめていくと, Curry-Howard同型対応があるからだなぁという結論に至ったので, それを言語化しました. せっかくなのでスライドを公開するとともに、口頭で補ったところも含めて丁寧に記事として書き起こしました。

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ポートフォリオをYAMLなどからJekyllで生成するようにした

自分の過去の登壇・執筆情報の管理が面倒になってきたのと, Twitter等に貼ってあった自己紹介のページがあまりに得体が知れない感じになってしまっていたので, ポートフォリオというかプロフィールというか, そういうものを用意することにした. 静的ページでいいけど, 1次情報はYAMLかなにか, 管理しやすいものになっていると助かるので, まぁJekyllでいいでしょ, という感じでミニマルに作りはじめた. ブログ記事とかGitHubリポジトリとかもかいつまんで載ってるといいかもね, とやっていったらそこそこのボリュームになってしまった. でも最近は歳を取ったのか趣味でコードを書くモチベーションが低くて全体的に意識が低い.

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LSP時代のScala開発環境: Metals, Bloop (on Emacs / lsp-mode)

これまでScalaでの開発にはENSIMEを使ってきたけど, もうそろそろ頃合いだとおもうのでMetalsに乗り換えた. エディタ側でLSPのサポートが充実してきているのでこれはだいぶ簡単で, さっくり乗り換えることができた.

Metalsはビルド部分は裏側でBloopを使っているので, テストの実行なんかもこれに乗っかるとだいぶ楽になる. けどEmacsからBloopを利用するにはまだちょっと面倒なところもあったので, この際いろいろ整備してみた.

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プログラムで解く数学パズル: 囚人とスイッチの部屋の問題 - 解答の自動チェックのしくみ

この記事ははてなエンジニア Advent Calendar 2018の18日目の記事です. 昨日はid:WindymeltSmart::Argsのパーサを書いたでした. 明日の担当はid:hokkai7goです.

他の担当者の記事は割と業務っぽいものが多いですが, 今回は趣味っぽいゆるゆるのネタです. 社内でとある数学パズルを紹介したところAdvent Calendarに書いてくれとリクエストがあったので, 紹介します. 単に問題を紹介するだけでは面白くないので, コードを書いて解答できるようにしてみました.

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契約による設計と名前による型づけ, およびオブジェクトの不変性

契約による設計と名前による型づけ

最近, 社内で契約による設計の話が雑談として何度か出ていて, id:hakobe932さんが社内勉強会で紹介していたり, id:shiba_yu36さんがWEB+DB PRESSSmart::Argsで制約をチェックする記事を書いていたり, 活発な議論になっている. インスタンスのファクトリメソッドとオプショナルな型を組み合わせると事前・事後条件を満たすことが保証できて, id:hakobe932さんの資料で言うところの「要求型」と「保護型」の区別も明確になってよいという話を書こうかとおもっていた. (これはそのうち別で書く.)

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正規表現の名前つきキャプチャを便利にする

Java 7から正規表現で名前つきキャプチャが使えて, Scalascala.util.matching.Regex.Matchでもそれに相当する機能がある(インタフェースや実装はJava標準のものとは別)けれど, ちょっと不便なところをどうにかしているうちに, インデックスによるキャプチャグループの上に独自に名前つきキャプチャグループを実装するような形になった.

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APIへのPUTやDELETEもブラウザから試す

APIサーバを作っているととにかくcurlで叩いてレスポンスを| jq .して見て, とやっていてリクエストボディのJSONの中括弧や引用符の対応がとれてなくてイライラしたり, 必要なヘッダをつけ忘れていてハマったり, とにかく非効率な感じがしてきたので, ブラウザ上から操作できるようにして, リクエスト内容の編集も(コマンドラインよりは)簡単にできるようにしてみた.

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はてなブログに移行した

ようやく, このブログをはてなダイアリーからはてなブログに移行した. これまでなかなか移行できていなかった理由や, 移行を機に改めた点についてまとめておく.

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bullet-scala: N+1クエリ問題を回避する

Scala関西 Summit 2015での発表で触れていたN+1クエリ問題をなんとかするためのライブラリを公開した.

発表は以下のもので, ここでは「関係モナド」という名前で紹介していたけれど, これは口頭でも説明したように便宜上てきとーにつけた名前であって, とくにそういう名前のよく知られたモナドがあるというわけでもなければ, そもそもモナドであるかどうかはあまり本質的ではない. この発表のあとに, Rails (Active Record)でのbulletのようにN+1問題の検出をScalaでやる方法はないだろうか, と言っている人がいたので, そういうものを探していて辿りつけるとよかろうということで, bullet-scalaという名前にした. もちろんN+1問題の検出のためのライブラリというわけではないし, 動的に検出するのではなく原理的に問題が発生しないようにするものなので, 思想は全く異なる.

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Scalaで型レベルのラムダ計算

新しい言語をさわったらとりあえずラムダ計算インタプリタを実装するよね! Scalaでふつうにラムダ計算インタプリタを実装するのはあまりに簡単*1なので, 型レベルでやってみた.

まじめな話をしておくと, C++のテンプレートがチューリング完全なのは有名な話だけど, Scalaではどうなのか気になった. 以前C++のテンプレートでラムダ計算のインタプリタを実装したのと同様のことができるか思考実験してみると, だいたいできそうに思えたのでやってみた.

*1:ケースクラスの公式ドキュメントに途中まで実装が書いてあるレベル

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