我こそは無頼漢

新風館地ビール祭があるというので腹も空かせたまま駆け付けてみると, 普段の夜の閑散とした物悲しさが嘘のように, ビールを飲む日本人と日本人以外のビールを飲む人々でごった返していた.

地ビールを堪能するも, 食べるものが少ない. 食い物をよこせ. 空きっ腹が文句を言うのを鎮めるために, 萬力屋で担々麺を食べることに. なにやら「無頼漢担々麺」というのが辛いらしい. こちとらM1(マゾ・レベル1), M2とその道を修め, さらなる高みを目指すべくD1(ドM・レベル1)に身をやつし未だ社会に出ることを許されない無頼の者である. 我こそは無頼漢. そのカラいやらツラいやらという担々麺, 食してやろうではないか!

能ある鷹は爪を隠すと言うけれど, 全く隠すつもりがない. あるいは, 木の葉を隠すなら森の中とばかりに「こんなにたくさん入っているのにまさかこれがあの鷹の爪のはずがない」と思わせようというのか. いいだろう. ここで怖気付いてはドM(見習い)としての面目が立たない.

どんなに辛くても慣れてくればどうということはない. 喉元過ぎればなんとやら. あれ, 喉が......痛い, げほげほ. いっしょに食べている餃子のたれにはラー油が豪快に入っているはずなのに, それすらやさしさに感じられる. 量に関しては常識を逸脱してはいなかったようで, 気づけば麺を食べ終わっていた. そこに残されたのは......

......なんだろう, これは. どうしろというのだろう.