社内でOSSへの貢献をもっと奨励していきたいねと話していて, そもそも普段どれくらい貢献できているか知りたくなった. 以前, 自分のポートフォリオに貢献しているOSSのリストを出すのをやっていて, ちょっと改造したら組織内のメンバー全員のものもすぐに出せそうだったのでやってみた. (というのをずっと前にやっていたけど宣伝するのを忘れていた.)
続きを読むScalaの依存ライブラリ更新はRenovateでもけっこうイケる
この記事は, はてなエンジニア Advent Calendar 2020の20日目です. 昨日はid:Pasta-Kによるウェブブラウザにバグ報告をするときにやることでした. 明日の担当は
id:motemenです.
Scalaで, 依存ライブラリのバージョンを上げるpull requestを自動的に作ってもらうソリューションとしてはscala-stewardがあります. ScalaのことはScalaでやるのが確実そうなので安心感がありますね. ただ, scala-stewardを自分でホストするのは面倒だし, かと言ってGitHub Actionsで動くようにするのもそれなりに面倒なようです.
Scalaに特化しない方法としてはRenovateがあります. これはいろんな言語のライブラリ等のバージョンをぜんぶ面倒見てくれてべんりです. GitHub Appsになっているのでポチポチ設定するだけで導入できます. 考えてみれば, ScalaのプロジェクトだってどうせDockerfile
なども置いたりしているだろうし, Scalaのライブラリのバージョンだけ上げられればいいということの方が稀だと思います. だったらぜんぶRenovateに任せてしまえる方がいい. 不安要素としてはScalaに対するケアがどれくらい行き届いているか.
この記事では, Scalaで書かれたプロダクトで実際にRenovateを使ってみて行き当たった不安要素と, その解決を見ていきます.
続きを読むEmacs+MetalsでScalaのデバッガを使う
こういう話がありました。
Feature Request : Support for scala in dap-mode · Issue #196 · emacs-lsp/dap-mode を見てもdap-modeの使い方がよく分からなかったし別に時間をかける所じゃないなと思ったので、デバッグする時だけはIntelliJを使うことにしようとしたのですが、私の環境だとUIが崩壊してデバッグ設定以前の問題になってしまいます。
実はMetalsの(というかlsp-mode+dap-modeの)デバッガはいま普通に機能するけど、確かに使い方(使える状態にするコツ)がちょっとむずかしい感じがしますね。実際にはやることはあんまりないんだけど、いざやろうとすると時間を食うと思うので、時間を食われてやった側の人間としてやり方を書き記しておこうと思います。本当は最近のEmacsのモダンな環境ぜんぶ紹介するみたいなのを書いてそこで(他の言語の場合も含めて)書くつもりだったけど、取り急ぎScalaのことだけ書きます。
続きを読むDocker Quizを力技で解く
こういうのがあった:
二時間目コンテナの講義ではDocker Quizが出題。君は、すべて解くことができるか?
— hatenatech (@hatenatech) 2020年9月7日
$ docker run --rm -i hatena/intern-2020-docker-quiz #hatenaintern2020
自社のインターンの課題だけど, 僕は今年のインターンには全く関わっていないので, 新鮮な気持ちで問題を楽しめた. みんな話題にしているのはQ7でなかなか骨がある. 全体的にCTFっぽさがある(参加したことないのでしらんけど)中で, Q7はとくにそっち方向の面白さがある.
Q7 このイメージのentrypointとして指定されているコマンドのソースコードを復元して、この問題の答えを取得せよ
「ソースコードを復元して」と言われて「うーん, それホントに復元しないとダメかな?」と考えていたら「ワシも若い頃はバイナリ畑を守るバイナリアンとして村のために戦ったもんじゃ」みたいな気持ちが急激に湧いてきて, 復元せずに解いてやろう, となった.
ちなみに, 実際は途中で諦めて普通にソースコードを復元して解いてしまったので, ここに書くのは「後にして思えばこうやってたら解けてたな」というやつです. 後出しジャンケンです. あと想定された解き方と違うとはいえ, 読めばQ7の答えがわかってしまうので自分で挑戦したい人は挑戦した後で読むことをオススメします.
続きを読むなぜ型ファーストで考えるのか
How do you imagine a building? You consciously create each aspect, puzzling over it in stages.
Inception
型なし言語に馴染みはあるものの型付言語をいざ使ってみたらどういう気持ちで書いたらいいのかわからなかったと同僚から相談があり, それをきっかけにして社内の勉強会で以下の話をしました.
よく型なし vs. 型付の文脈では「型を書くのは面倒だ」「安全の方が大事だ」「でも面倒だ」「それは型推論を前提にしていないからだ」などの議論になりがちな気がしますが、これはあくまで「計算ありきの型」を考えているからで, 「型ありきの計算」だと全く見え方が違います. 「型はある種の仕様」とおもえば, 型ファーストであることと, 型なし言語でテスト駆動開発(TDD)するときに最初にテストを書くこととは, 同じなんだよなぁと思っていました. そして型ファーストが重要な理由をつきつめていくと, Curry-Howard同型対応があるからだなぁという結論に至ったので, それを言語化しました. せっかくなのでスライドを公開するとともに、口頭で補ったところも含めて丁寧に記事として書き起こしました。
続きを読むポートフォリオをYAMLなどからJekyllで生成するようにした
自分の過去の登壇・執筆情報の管理が面倒になってきたのと, Twitter等に貼ってあった自己紹介のページがあまりに得体が知れない感じになってしまっていたので, ポートフォリオというかプロフィールというか, そういうものを用意することにした. 静的ページでいいけど, 1次情報はYAMLかなにか, 管理しやすいものになっていると助かるので, まぁJekyllでいいでしょ, という感じでミニマルに作りはじめた. ブログ記事とかGitHubのリポジトリとかもかいつまんで載ってるといいかもね, とやっていったらそこそこのボリュームになってしまった. でも最近は歳を取ったのか趣味でコードを書くモチベーションが低くて全体的に意識が低い.
続きを読むプログラムで解く数学パズル: 囚人とスイッチの部屋の問題 - 解答の自動チェックのしくみ
この記事ははてなエンジニア Advent Calendar 2018の18日目の記事です. 昨日はid:WindymeltのSmart::Argsのパーサを書いたでした. 明日の担当は
id:hokkai7goです.
他の担当者の記事は割と業務っぽいものが多いですが, 今回は趣味っぽいゆるゆるのネタです. 社内でとある数学パズルを紹介したところAdvent Calendarに書いてくれとリクエストがあったので, 紹介します. 単に問題を紹介するだけでは面白くないので, コードを書いて解答できるようにしてみました.
続きを読む契約による設計と名前による型づけ, およびオブジェクトの不変性
契約による設計と名前による型づけ
最近, 社内で契約による設計の話が雑談として何度か出ていて, id:hakobe932さんが社内勉強会で紹介していたり,
id:shiba_yu36さんがWEB+DB PRESSで
Smart::Args
で制約をチェックする記事を書いていたり, 活発な議論になっている. インスタンスのファクトリメソッドとオプショナルな型を組み合わせると事前・事後条件を満たすことが保証できて, id:hakobe932さんの資料で言うところの「要求型」と「保護型」の区別も明確になってよいという話を書こうかとおもっていた. (これはそのうち別で書く.)